大晦日です。
今年一年をざっくり振り返ってみますと。
浪曲は235席、弾かせていただきました。ちなみに去年は207席。少し増えました。
講演のような仕事も少しありましたが、変わった仕事やコラボは減りました。
今年の目玉は、何といっても、小林正明写真展「日日是浪曲~曲師さくらの世界」が東京、大阪、名古屋で開催されたことでしょう。
あわせて、東京では「沢村家のおんなたち」を奈々福さんにやっていただき、大阪、名古屋では曲師の会を。
大阪は隼人くんのCD発売記念と合同で、名古屋は雲月師匠にご協力いただいての開催でした。
3年がかりで撮っていただいた写真たちがギャラリーで飾られているのを見て、感慨深いものがありました。
躍動感あふれる写真からいまの浪曲の勢いが伝わってきて、浪曲も捨てたものじゃないと思えたのです。
こうやって少し離れてみても、浪曲はおもしろい。
浪曲の世界に入ってくる若者が特殊などではなく、浪曲って確かに素敵なものだと思えました。
わたしが変わったオンナではないのだ!
写真集も発売されまして、これは素直に感動!
浪曲師でも聞いたことがありませんが、ましてひとりの曲師を撮った写真展や写真集は前代未聞でしょう。
写真展は盛況で、浪曲ファンや同業・関係者の皆様、写真ファンの方など、特に大阪では東京を超える動員だったそうです。
写真業界では、大阪は東京の半分といわれているらしいのですが、さすが地元。
3会場通して、5000人近くのご来場があったのではないかと思います。
改めまして、皆さまに感謝申し上げます。
そしてカメラマンの小林さん、本当に本当にありがとうございました。
6月からは、偶数月第4木曜日、あべのハルカス内のスペース9にて、「浪曲いろは文庫」がはじまりました。
演芸サロン志美亭(ここみてい)さんのご協力を得て、一秀・隼人・さくら3人の会です。
浪曲をいろんな角度からみせたり、おもしろいコラボや新しい感覚で捉えなおすことも大事ですが、わたしは、やっぱり一番はクオリティだと思っています。
これは、入門したころからずっと変わらず持ち続けている考えです。
声、節の研鑽を怠らず、いい浪曲を聴いてもらう努力をする会が、「浪曲いろは文庫」なのです。
来年もがんばります。
2人で三席のうち、一席はネタおろしがあると思います。
ぜひ一度、ご来場くださいませ。
隼人くんに連れられて、東京にも結構行きましたね。
来年は、隼人くんが東京でも勉強会を始めるので、もっと機会が増えると思います。
大阪の節と三味線を、東京のお客さまにもっともっと聞いていただきたい。楽しみだ!
全体的には、成果はともかくとして、よく勉強した年だったと思います。
名人の手の単なるコピーではなく、場面や節に応じて今まで弾いていなかった手をいれたりということが何となくできるようになって、ネタおろしを弾くことが楽しくなってきています。
隼人くんが成長し、まどかさんが帰ってきて、若手が増えて、浪曲師の皆さまがそれぞれの持ち場で活躍されています。
わたしのプロデュース公演はますます減るのかなあと思いますが、しっかり三味線を勉強して、中堅曲師として浪曲に貢献できるよう邁進したいと思います。
今年は藤信初子師匠の訃報に、想像以上のショックを受けました。
どんな浪曲を弾いても一流で、既に名人でいらっしゃるのに、ご自分の演奏を録音して聞き返すような謙虚なお師匠さんでした。
晩年まで、ひとつひとつの舞台に真摯に向き合うお姿を忘れることなく、わたしも前に進みたいと思います。
今年も、皆さまありがとうございました。
ライフワークの曲師の会12月、小林さんに撮っていただいた写真をあげておきます。
来年も、浪曲をどうぞよろしくお願い申し上げます。
沢村さくら



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